2010年3月25日木曜日

Dialogue in the Dark

噂に聞いていたDialogue in the Darkに参加してきました。全世界で600万人が体験しているという話に納得できました。

視覚障害者のアテンドにより、暗闇の中を初対面の人も含めて8人が1グループで、1.5時間ほどかけて散策します。右手には自分の身長にあった白杖を選び、鉛筆を持つように持ちます。暗闇は「完全な闇」で目が闇に馴れることは全くありません。1.5時間経っても自分の手すら全く見えません。会場はビルの地下ですが、森の設定になっていました。地面も含めて実際に触れられる部分は全て土や落ち葉、木々など本物です。まあ見えないので、触った感触がその根拠です。1.5時間の間、ブランコを漕いだり、見晴し台に上がったり、秘密基地を見つけたりします。定期的に会場構成が変わるので、複数回参加する人もたくさんいるそうです。

終わった後で、8人のいろんな感想を聞きましたが、僕にはスタートしてしばらくした後、起伏のある森の風景(色は白黒)が暗闇の中に見え続けました。足元から伝わる情報が一番大きい根拠になっていると思います。実際にはその見える(=目に浮かぶ)風景と会場の物理的な構成は全く間違っているので、目前の風景を延々と修正し続けながら歩く、ということになりました。瞑想する時に僕は空間的な風景がよく見えるのですが、その印象に近かったです。人それぞれだと思いますが、通常では考えられない空間体験ができますよ。

後半、バーに入りソファに座り代金を支払って白ワインを飲みました。でも皆さんにはビールをおススメします。なぜならビールの場合、テーブルの上にはまず空のジョッキ(かグラス)が置かれ、そこにバーのママ(視覚障害者)が瓶ビールからジョッキにビールを注いでくれるからです。泡すら溢れること無しに。。。その秘密は参加して聞いてくださいね。

写真は闇のなかでつくった僕の名刺です。その日はMADE IN JAPAN PROJECTとのコラボレーションイベントだったので、和紙をハサミで切って、いつ紙にふれるか分からない距離感で筆ペンで書きました。「山」ですね。。。