2009年3月19日木曜日

スキーマ

少し前のことになりますが、スキーマの長坂常くんのリノベーションプロジェクトを見学に行きました。築20年の木造住宅を改装するものです。でもまだスキーマのサイトで紹介されていないですね。。

スキーマの近作
Sayama Flatで、僕はそのリノベーション手法に本当に驚かされました。普通、リノベーションは何か加えることで付加価値がつくのに、Sayama Flatではひたすらに減らしていくだけなのです。しかも何を減らすかは現場でアドリブで決定されるということも驚異的な話でした。僕の場合は原寸の1/1スケールで全ての部位の納まり方を完全に決定しておかないと気が済みません。それをあらかじめて図面化して、工事現場ではそれを実行するのみ!という完全主義。現場での変更を余儀なくされる場合、気が遠くなる感覚があります。そういう感覚でデザインしておくことが、空間の質を一定に保つ上で必要だと思っているからです。
そう信じている僕にとって、Sayama Flatはショッキングでした。僕のやり方と正反対に思えるのに、その空間は本当に鮮やかで見慣れない光景が生まれています。スキーマは僕も含めて他の同世代的な建築家(長坂くんは大学での同級生でもあります)と、やっていることが完全に違いますね。本当に魅力的な事務所です。

さて今回見学に行ったリノベーションもとても良かったです。Sayama Flatがさらに進化というか、発展しているような感じでした。実は最近、僕も木造のリノベーションを始めたところで、参考に見てみたいと思って行ったのです。ところが見学後は、参考どころではなくて、相当に気を引き締めないとまずいな、と緊張感が増しました。。。


2009年2月23日月曜日

自分のためのデザイン

近頃アパレルのショップインテリアを幾つかデザインしています。今まで建物をつくることが割合として多かったせいか、「インテリアはやらないんですよね」とよく言われます。僕としてはむしろ積極的にやりたいと思っているので、その都度そんなことはないですよ、インテリアにもとても興味がありますよ、とゆるい営業をしてみるのですが、「でもやっぱり山口さんは建築ですよね!」と言葉が結ばれます・・・(笑)。建築家と話をしているのだから、そうに違いないということなんでしょうか。

今、他にはジュエリーデザインもしています。メンズジュエリーです。世間にあるメンズジュエリーはハーレーダビッドソン系(=クロムハーツですね)とたいがい相場が決まってますね(笑)。そのせいか自分が買って身につけたいと思うものは見つけにくいです。
必ずしもメンズという訳ではないですが、TiffanyのFrank O. Gehryによるフィッシュのブレスレットは持っていて、時々つけてます。(今はネックレスだけみたいです。)買ったわけではなくて、Frank O. Gehryシリーズの発売記念で開かれた盛大なローンチパーティのお土産に頂いたものですけど(笑)。

それはともかく、ハタ!と気付きました。メンズジュエリーのデザインをしているときは、自分が身につけたいと思うものをデザインしています。そのことについて、自分で本当に驚きました。今までデザインしてきたのは誰かが使うためで、自分が使うためではないからです。しかもジュエリーは「使う」というような一般的な意味での機能がありません。着けなくても機能的には困らないものです。付加価値だけで存在しています。
何を驚いているか分からない方が普通だと思いますが(笑)、自分のために自分が、付加価値だけを生み出すという、まるでアーティストのような完全に自立的な行為は本当に新鮮な体験です。

2009年2月12日木曜日

世界最小

今さら何なのですが。。。世界最小のフィットネススタジオ(というキャッチコピーの) 、MBTを買いました。事務所近くの赤羽橋にお店があって、幾つか試して買ったのはLMB007というもの。スニーカーとして考えると、ちょっとお高い(34600円)とも言えなくはないですが、フィットネススタジオと考えれば安いのかも。お店を出る時には靴を早速に履き替えて歩き始めました。

「自然の不安定さを利用」という何やら建築の構造の話にも聞こえますが(いえ、普通は聞こえないですね)、これを履いて歩くことで自ずと姿勢が良くなり、エキササイズ効果もあるそうです。最初は歩きづらいのですが、お店でしばらく練習して「もう言うことはありません!」との店長のお墨付きをもらうころには、たしかに歩く姿勢は確実に良くなりました。

次の日、ちゃんとふくらはぎが張っていて、エキササイズもできているようです。でもこの靴、説明されていない抜群の効果は「身長アップ」ですね。シークレットシューズのように全くシークレットではないものの、厚過ぎの底によって4.5CM身長が増えます(笑)。

2009年1月21日水曜日

中古マンションの場合

暮れから年明け、中古マンションをこれから買ってリノベーションしたいという話がいくつか重なりました。これから工事費が下がるのは間違いでしょうから、今からプロジェクトをスタートすれば半年後くらいの工事契約の頃には確実に割安ということになるので都合が良いです。というか不都合な要素が無いのが今の状況でしょうね。マンション価格、金利、工事費、税金などなど。。今年の中盤頃から始めると今から一年後ということなので、その頃どうなっているか分からない、ということもありますね。

ということで、時々それぞれの候補物件資料を眺めてます。とはいえ肝心なのは、そこに載っていない共用部の設備、構造、管理状況です。管理状況の良し悪しは、現地に行けば誰でも分かると思いますが、それ以外の項目の検討は設計事務所以外の人には難しい。不動産仲介業者はそのあたり、完全に関心が抜け落ちているし、当然に知識も無いので、コミュニケーションが成立不可です(笑)。
設備は補修内容も含めて確認して、構造は耐震基準の適用年度には全く期待せず構造事務所で見てもらいます。耐震基準変更前でも、その物件ごとに精査することで、耐震性について問題ないと判断できる建物もあります。また、耐震基準変更後の建物でも怪しいものはいくらでもあるので気をつけるべきです。

建築家の視点とはちょっと違いますが、築年の古い建物の場合には、特に土地の持ち分比率も非常に重要ですね。建物を買うというよりは土地を買うという感覚に近い物件だと良いです。つまり、その住戸が所有する土地面積にそのエリアの土地単価相場を掛けた金額が、購入金額に近ければ近いほど土地を買っているということになります。築年が古ければ建替え時に、その方が都合が良いわけです。それに何と言ってもリノベーションが前提だと、建物の中身に金額的な価値がありすぎるのも変な話になるわけで。
中古マンションをリノベーションする場合には、身の回りの設計事務所(笑)に相談してみることをおススメします。

2009年1月19日月曜日

入口を大切に

形からというか、入口を見極めてから始めるのが好きなので、スタートをなかなか切れないことがよくあります。仕事はなぜかそうでもなくて、おもむろに始めることが多い気もしますが。。趣味の話ですね。
1年くらい前に弓道をやってみようと思いつき、それこそ入口が肝心だろうと調べているのですが、結局なかなか始められません。区民スポーツセンター、区の弓道場、個人の弓道場いろいろあります。入口という点では明治神宮の至誠館が申し分無く間違いない感じですが、日本刀を振りかざした写真がトップページにあるのを見ると、本格的過ぎるのもどうだろうか、と決めかねます(笑)。

先日ふと、友人のお父さんが弓道で天皇盃を複数回、制している名人であることが判明しました。願ってもない出会いです。どこで始めると良いスタートになるか聞きたくて、もちろんあわよくば教えてもらえるかも?と稽古をしているところへ訪ねて行きました。場所はどういう偶然なのか、ついこの前に初詣に行った鹿島神宮の弓道場です。行きがけに森利戸家で鰻を食べて、エネルギーチャージも十分。

屋外と言ってほぼ間違いない板張りの弓道場には、ポツンと灯油ストーブが一つ置かれていました。上半身の1/4ほどを寒風にさらしながら、静かに4人の弓道家が所作を大切にしながらゆっくりと的を射ていました。僕はダウンジャケットにマフラー姿でストーブに張り付いて、足下から寒さで凍りついてくるのを感じながら、お父さんのアドバイスを伺いました。今までの僕の人生で出会った人達のなかで、「おっかない人」ナンバー1は、その日から友人のお父さんです。友人は僕と話す自分の父親を見て「あんなに笑った親父は初めてみた」とのことで、何か親子関係にお役に立てた気もして悪くない気分ですが、「笑う」と言っても口角が僅かに上がるだけです(笑)。

彼が的を射るときは、その場の空気感が変わるような感じがしました。日本一というのはこういうことか、と(何もあまり分かってはいないものの)納得できました。その彼のアドバイスでは、結論的にはまずは区民スポーツセンターで可、ゆくゆく教えるのはヤブサかではないという有り難いお話でした。その3日後に早速、家の近所のセンターへアフター5の練習会を見学。完全に室内の上、同じ板張りでも床暖房が導入されていました。。それでまた悩み始めています。。こんなに快適なところで良いのだろうかと。。(笑)。



2009年1月5日月曜日

初詣

元旦。まずは近所の高輪神社へ初詣。その後、歩いて麻布氷川神社へ向かいました。ここが会社所在地の氏神様なのです。10:30に予約していた「商売繁盛」のご祈祷をしてもらいました。豆知識ですが、神社への参拝は午前中が良く、また鳥居は基本的にくぐるべきではないです。くぐらずに男性は右脇を、女性は左脇を通りましょう!初詣の時は屋台で鳥居の脇が塞がっていたりしますが。。
今年は正月の準備を自宅で全くしなかったので、麻布氷川神社のあと歩いて六本木ヒルズへ。GRAND HYATTのTHE OAK DOORです。2009年の初食事はなぜかステーキになりました(笑)。サラダも含めてサプライズのある、大変に美味しいコースでした。それに元旦にホテルならではの心地よいサービスを受けられたのも気持ち良かったです。

2日はアクアラインで千葉県木更津市の実家へ行って一泊。3日に東京へ戻って4日は鹿島神宮へ。お札を祀るときは伊勢神宮、氏神様、好きな神社の3社で1セットなので、建築の神様でもある鹿島神宮へ初詣です。神様の使いである鹿にもエサ人参をあげて運気アップを図ります。以前、おみくじを引けば必ず「大凶」よくて「凶」、たまたまやってみたタロット占いでも、占い師がちょっと言葉使いに慎重になるようなカードだけを引きまくっていた時期がありました。。。どうしたものかとその当時悩みましたが(笑)、去年あたりからたいがい「大吉」になっています。そして今年も初みくじは見事「大吉」!今では鹿島神宮の「お休み処」のおばさんが僕のことを覚えていて、白玉ぜんざいにおまけで漬物をつけてくれるのも、僕が参拝を重ねた成果です(笑)。

今年は昨年にもまして、幅広いジャンルとエリアでデザインに取り組んで行きたいと思います。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。

2008年12月28日日曜日

フライングシューズ

この時期はパーティが続きます。そんななか「フライングシューズ ピョンピョン」を試着できる機会が汐留のパーティでありました。同じ日に麻布十番で開かれる、美女がとにかく大勢集まるというパーティへの思いを断ち切っての参加です。ということで気合いは十分での試着になりました。このシューズ、昔から気になっていたのです。夢で立ったまま空を飛んだり、そのまま宇宙に行ったりすることがあって、いつも気持ち良い夢心地。フライングシューズを装着すれば、まあ宇宙には行けなくても、空を飛んでいる実感が得られるかもと期待が膨らむのは僕にとっては自然です。トランポリンの上で弾む感じになって、バランスが崩れたらどうしようともちょっと心配もしました。
美女軍団への思いを断ち切って望んだ実体験としては、トランポリンの上で弾むような、、というよりも、トランポリンの台ごと一緒に弾む感じです。つまり飛べているかもしれないけれど確実に重いです。。。走ってみるとフライングシューズの良さをより実感できるとアドバイスされたので、夜の汐留を走り抜けました。速いです!!!でもやはり重いです!筋トレを楽しくしたい方におススメです。 鹿島アントラーズでトレーナーをしている友人も来ていて、もちろん彼は筋トレを普段から十二分にしている体格。その日もとにかくたくさん食べるので感心していたら、「選手よりも元気がなければトレーナーは務まらないからね!!」と言って、また皿を手にして行ってしまいました。フライングシューズの試着のあと、僕は息切れしながらその一言を聞きました。プロスポーツ選手は当然に元気が存分に必要なわけで、そのプロの持つ資質を越えることが要求されているというのが、とても新鮮でした。





OPENERSに加藤さんによるインタビューが掲載されています。


2008年12月15日月曜日

ドクター中松ハウス

FRASER PLACEの1室を借りて、友人達と一緒に忘年会をしました。持ち寄りの飲み物は、白ワイン中心。部屋が白いことに合わせて、色の薄いものでお願いしたので。実はゲストとしては今回が初めての利用でした。
中長期滞在に対応するためにちゃんとしたキッチンがあるので、パーティをするのには非常に都合が良さそうです。最上階の客室は1泊からでも普通に借りることができます。照明デザイナーの近藤真由美さんによるブルーの照明をつけて、オレンジ色に染まる東京の夜景をみんなで楽しみました。まあそれは一瞬だけで、ほとんどは飲むか食べるかして過ごしました(笑)。
その次の日は、「次世代建築 ドクター中松ハウス」でのクリスマスパーティへ。誰かがテレビで観て、リビングが150畳あるらしいと言っていたのですが、会場は半屋外の吹き抜け空間です。リビング(体育館?)は別の機会にぜひ拝見したいですね(笑)パーティの主催者で友人の中松義成さん(息子さん)のボサノバを楽しみました。後半、ドクター中松さんも参加して、「もらうと幸福になる名刺」を名刺交換して頂きました。ちなみにそれは「もらわないと不幸になる名刺」だそうでゲスト全員が名刺交換をしたのではないでしょうか(笑)。
パーティの後、中松義成さんやスタッフの方々10人くらいで2次会に行きました。再集合時間までちょっと時間が空いたので、四川料理の天悠で腹ごなし。ここは中華では非常に珍しい化学調味料を使わない店として有名で、学芸大学駅近辺で食事するときはたいがい行きます。ソムリエの友人も一緒にいたので、食の話で盛り上がりました。




狛江の住宅」がAR AWARDSで
Honourable Mentionsを受賞しました。

2008年12月2日火曜日

経験と計量

東泉一郎さんと言えば著名なアートディレクター。彼の活動は多岐にわたっていますが、蕎麦も打つとのことで、自宅近所の友人宅で彼と蕎麦対決をすることに。東泉さんは東急ハンズで買った初級セットを持参して友人宅で実演で打つと聞き、僕は事前に自宅で打っていくことにしました。対決前に「東急ハンズの初級セット」というフレーズを聞いてひとまず安堵です。
ところが当日、
彼から道具を説明してもらうと、ほぼ全て玄人用らしきものに入れ替わっていることが判明。最初に買ったものが「東急ハンズの初級セット」で、時間をかけて少しずつ、使いやすい道具へ変更してきたとのこと。やや不安を感じつつもさらに話を伺うと「神田やぶそば」「神田まつや」と個人的に交流があるそうで「いやいや近所だったので。」とご謙遜。東泉さんはご実家が神田だったそうで、そういう機会があったのです。今しか告白のタイミングはないと思いました。「僕の経験はアフター5の蕎麦打ち体験1回コースです。」所は銀座の雑居ビル内にある蕎麦スクールにて。
それでも意外と自信があります。そのスクール曰く、蕎麦は計量さえ厳密(例. 水1gの誤差は不可)にすれば必ず美味しく打てる!とのこと。その話はとても興味深いです。蕎麦に関しては、成果と経験は関係がないと言っているわけですから。
事実そうなのです。ただ一定の細さで切るのが難しく、そこが本職との違いであり、経験が必要と聞きました。実際、体験1回コースが拠り所でも、自分の蕎麦よりも美味しい蕎麦には滅多に出会いません。ただ見栄えと口に入れたときの感覚が違いますが、たいていは食べ心地の違いという程度です。蕎麦屋で驚くようなことはごく稀です。
東泉さんはもちろん計量について教わったことはなく、すべて経験と勘によるそうです。当然に東泉さんの打ってくれた蕎麦はとても美味しかった。そして多分、結果的に正確な計量と同じ割合になっているのだと想像できます。僕の蕎麦も友人達は美味しいと言ってくれました。なので蕎麦対決は引き分け、というか二人とも最初から対決しているつもりがなく、お互いに謙遜しまくりの、むしろ褒め合い対決でした(笑)。でも完全に異なる点がありました。打っているプロセスです。例えば、蕎麦を打つ過程では円錐形にまとめる段階があるのですが、東泉さんのはその形と表面が美しかった。やはりモノを作って行く時にはそういうところが魅力に見えますね。プロセスの見た目が結果としての味と関係あるのか不明ですが、ぜひ影響していて欲しいと思いました。デザインでは、たぶんそうなっている気がします。


2008年11月19日水曜日

建築の神様

白金のL’Assiette Blancheに友人夫妻と行きました。L’Assiette Blancheは三田の有名店Cote d'Or出身のシェフのお店です。両店ともに自宅からも事務所からも近いのですが、L'Assiette Blancheは初めてです。Cote d'Orはとにかく素晴らしいし、そこ出身のL'Assiette Blancheではジビエ料理がとても評判が良いとのことで、うかれて行きました。かつて好きだった鹿肉を、またしても危うく頼んでしまうところでした。。。以前のある日、鹿肉を食べていたら、「食べていいの?」と聞かれました。「鹿島神宮のお札を事務所に祀っているのに?」と。スピリチュアルカウンセラーの友人から、鹿島神宮は建築の神様と聞いて以来、大切に祀ることにしています。もはや建築の神様としての詳細は重要ではなく、とにかく鹿島神宮では鹿は神様の使いです。もちろん僕自身も鹿島神宮で、そのお使い様達に鹿せんべいをあげています。ですから食べてしまってはまずい!でしょう。その頃は御利益が実感しづらいと思う日々だったのか、あまりに多すぎる願以外にそれが原因だったのかと真に猛省しました。金輪際食べるまいと気をつけていますが、先日の事務所移転オープニングパーティでも新鮮な鹿肉が手に入るという話を聞いて、ではそれにしましょう!とつい喜んでしまい、それに合わせて赤ワインをたくさん注文しました。後で訂正してベジフードになりましたが、赤ワインはそのまま。。L’Assiette Blancheではジビエとしてハトを頂きました。とても美味しかったです。このお店は、フレンチレストランでは珍しいと思いますが、同席者が前菜でもメインでも違うものをオーダーした場合、取り分けた状態で最初から各人に出してくれるので嬉しいです。一緒に食事した友人の内山グリさんは帽子デザイナーで、彼女のつくる帽子は非常に魅力的です。千駄木のアトリエも兼ねたお店の他に、BARNEYS NEWYORKなどで扱われています。

WOODEN FRAMEの写真をアップしました。

2008年11月8日土曜日

平凡さのなかに

prototype展にご来場頂いた方々、どうもありがとうございました。「WOODEN FRAME」を何気ないデザインのフォトフレームだと思って通り過ぎた方々も多いと思いますが、そういう一見平凡にすら見えるデザインに最近とても興味があります。どこまでいっても平凡なだけではつくる甲斐もないのですが、今興味があるのは平凡さのなかに異常というか、非凡な部分を埋め込むような、そういう方向性です。急いでいる人には見過ごされることもあるくらいにデザインしておいて、考えてみるとアレ?と思い始めるようなマニアックな話です(笑)。あるいは、どこまでとことん何気なく見せることができるか、など。去年の箱の展示でつくった「DRAWER, 2008」くらいから、そういうことを強く意識しています。建築ではちょうど同じ頃に計画していた集合住宅の「H-project」でも、同じようなことを気にしていました。幾つかのメディアでも話していますが、実は「DRAWER, 2008」をスタディしていて、それを外形として大きくしたのが「H-Project」です。建物として平凡、家具として平凡というよりは、対象は何であれ作られ方がなるべく何気ない感じになると気持ちが良いと思います。家具と建物を同じ方法でデザインできたのは、僕にとっては非常に重要な経験になりました。
ちなみに展示前に
WOODEN FRAME」の撮影ができなかったので、まだ写真がありません。WEBのトップに載せているものは、ずっと前につくったプロトタイプなのでWOODEN FRAME」とはちょっと違います。明日、事務所をスタジオにして撮影してもらいます。

2008年10月23日木曜日

ビールはプラチナよりも貴重

スタッフの一人が退社するので、昨日は彼の送別会でした。場所は事務所近くの「あら喜」で和食です。彼はビールをとにかくよく飲む人で、昨晩も生ビールを少なくとも10回はおかわりしたと思います。かつて彼と別のスタッフの3人で焼肉を食べに行った時、僕は生ビールを1杯も飲んでいないにも関わらず「28杯」と請求書には記されていたのをよく覚えています。アルコールというよりは、よくそんなに液体が胃に入るものだと、一緒に食事に行く度に感心します。Louis Vuittonの指名コンペが彼の最初の担当で、それから3年間多くのプロジェクトを高いレベルでこなしてくれました。また、いわゆる設計だけでなくて、グラフィックのセンスが非常に素晴らしくて、プレゼンテーションは彼に任せておけば安心で信頼できました。昨日はそんなことも含めて、思いつくままにいろいろと話をして楽しかったのですが、最後の彼の言葉は「ビールはプラチナよりも貴重なんですよ」でした。3年間の最後が、全く共感できない内容で締めくくられたわけですが、彼はその言葉を言いながら、徹夜明けで寝てしまっている別のスタッフの手つかずになっていたビールを一気に飲み干しました。彼の満足げな表情を見て、僕も一応は頷いておきました。
現在は新しいスタッフを経験問わず募集していますが、アルコールが飲めなくてももちろん構いません。むしろ飲み過ぎない方が経費的に安心です(笑)。

2008年10月11日土曜日

ラスベガス

今週は連夜、友人との食事で楽しく過ごしました。職種がバラバラなのも良かったです。火曜日は外資系監査法人と広告代理店勤務、水曜日はライターとグラフィックデザイナー、木曜日はテレビのディレクター、金曜日はご近所さん。僕は韓国料理が好きで、そのうち2回は麻布十番のシモンでした。こじんまりしたこの店のチヂミはとても美味しいので必ず注文すべきなのですが、先日アレルゲンだと判明したばかりのタマゴがもちろん使われています。そこでアレルギーテストの先輩に教わった「今日は特別」という免罪符のセリフを自分に言ってから食べました。
恵比寿でシンガポール料理を一緒に食べた広告代理店の友達は、つい先日、勤務地のラスベガスから帰ってきたばかりです。学生の時、僕はレンタカーでアメリカを旅行中にラスベガスに一泊だけしたことがありました。その時の感想は「二度とこの町には来るまい」です。ラスベガスには巨大なホテルとカジノ以外に何もなくて、1泊なのにとにかく退屈でした。ところが今年の5月末にIALDの授賞式に出席するためラスベガスへ行くことになったのです。まさか再びラスベガスを訪れるとは思いもよりませんでした。しかも今回はタキシード持参なので、ラスベガスを大いに満喫している人のようです(笑)。事前に彼から聞いた情報では、現在でも状況は同じようでした。ただ、幾つかのホテルで開かれているシルク・ドゥ・ソレイユのショーは観たほうが良いとのこと。彼はショービジネスのために半年間ラスベガスにいたのです。そこでアドバイス通りに「O」(オー)と「Ka」(カー)のチケットを取りました。世界中にあるシルク・ドゥ・ソレイユのなかでも、ラスベガスで開かれている興行は出演者のパフォーマンスレベルが最も高いとか。出演者だけでなく、舞台装置も大変なことになっています。「O」の舞台の床は基本的に水面で、その水深のコントロールは尋常ではありませんでした。途方もない高さがある天井あたりから人が飛び込んだ水面の上を、そのすぐ後に人が歩くのです。その水深の変化がいつ起きたのか。。2つのショーを観終わった後、僕にはそのショーだけを観るためだけにラスベガスへ行っても良いと思えました。むしろ、そういう風に順番を考えるとラスベガスの町の退屈さも納得できるかもしれません(笑)。
8日にグッドデザイン賞の発表があり、FRASER PLACEが受賞しました。

2008年10月7日火曜日

専門性

フォトフレームの撮影に立ち会って来ました。いつもながら他の職種の仕事を見るのは楽しくて興味深いです。撮影するとすぐにモニターに表示される写真に対して、感想やイメージを伝えます。するとライティングや構図が変更され、次に撮影された写真は着実に僕が欲しいイメージに近づいていくのです。変更には微妙な陰影の変更もあれば、構図を少しだけ変えたり、完全に前の写真をリセットするような時もあるわけですが、カメラマンはイメージを確実にコントロールできているように見えます。それは非常に高い専門性で、そういうものを目の当たりにすると驚くと同時に、無性に嬉しくなります。そういえば学生の頃、音楽学部の作曲科の友人に学校の小さなレッスン室でピアノを習っていた時期がありました。僕がまず弾けるようになりたいと思っていた曲を彼女があまり知らなかったので、譜面を用意する前にひとまずCDで聞いてもらったのです。その時、CDがあれば譜面はいらないと言われました。初めて聞いたそのピアノ曲を、彼女は何も見ないで、その場ですぐにCDと同じようにピアノで弾いてくれました。確かに譜面を用意する必要は全くありませんでした。驚いていたら「だってそれが仕事だから(笑)」と。絶対にマネできない専門性だと心の底から感心しました。デザインにそこまでの専門性ってあるのだろうか?と思った瞬間でもありました。今はあると信じられますが、当時はどうも怪しいと思ったような気がします。



2008年10月4日土曜日

結果

事務所の引越当日、休憩もかねて近所のイタリアンでスタッフ達(=男性)と軽く一杯飲みながらランチをしている時に、フードアレルギーテストをこれから受けるという話をしました。僕も含めて、おいしいと評判のレストランには積極的に足を運ぶことを楽しみにしていたり、週末は料理をつくり大勢の友人を自宅に招いてパーティをしている人達なので、日常的にみんな食には関心があるはず。事務所を移転させた理由の大きいものとして、ランチ時に行けるおいしい店がなく、かつ選択肢もないという不満もありました。ところが、スタッフからはアレルギーテストは受けたくない、というリアクション。。その理由はおいしいものを食べるのに、いちいちアレルギーを気にしたくないから知りたくないとのこと。ある種、とても男らしい理由だと思いました。前にも書きましたが、このアレルギーテストはアメリカに血液を送って90品目の食品を検査するものです。内蔵や血液など内部的に起きるアレルゲンを対象にしていて、将来の疾患の原因になる食品を検査します。ですからその食品を食べても、例えばすぐにジンマシンがでるとか、呼吸困難になるというものではなく、検査しなければ知ることができません。すぐに症状がでるアレルゲンをIgE(普通はこれ。ジンマシンなどの原因。)、今回対象にしているアレルゲンをIgGと言うそうです。もちろん付け焼き刃の知識です。ということで、スタッフは「食」に関心というよりは「うまいもの」に関心があるということが分かりました。
さて今日ようやくその結果が返って来て・・・、卵が白身黄身ともHigh、チーズ(チェダー、カッテージ、モッツァレラなどに分かれてます)、牛乳、ヨーグルトがLowでした。つまり卵は今後とにかく避けて、乳製品は食べ過ぎないほうが身のため、という意味になるようです。ちなみに一緒に受けた人全員(計4人)が乳製品・卵ともにModerate以上で、中には大豆、砂糖がHiighという人もいました。受けた人全員がアレルゲンを持っているという結果です。やはり知っているのと知らないのでは、当然今後の対応が違うので、受けて良かったと思います。建築で使う材料や製品で広く知られているものだとしても、よく吟味してから使うに限りますが、食べ物も全く同じだと思いました。