2009年3月19日木曜日

スキーマ

少し前のことになりますが、スキーマの長坂常くんのリノベーションプロジェクトを見学に行きました。築20年の木造住宅を改装するものです。でもまだスキーマのサイトで紹介されていないですね。。

スキーマの近作
Sayama Flatで、僕はそのリノベーション手法に本当に驚かされました。普通、リノベーションは何か加えることで付加価値がつくのに、Sayama Flatではひたすらに減らしていくだけなのです。しかも何を減らすかは現場でアドリブで決定されるということも驚異的な話でした。僕の場合は原寸の1/1スケールで全ての部位の納まり方を完全に決定しておかないと気が済みません。それをあらかじめて図面化して、工事現場ではそれを実行するのみ!という完全主義。現場での変更を余儀なくされる場合、気が遠くなる感覚があります。そういう感覚でデザインしておくことが、空間の質を一定に保つ上で必要だと思っているからです。
そう信じている僕にとって、Sayama Flatはショッキングでした。僕のやり方と正反対に思えるのに、その空間は本当に鮮やかで見慣れない光景が生まれています。スキーマは僕も含めて他の同世代的な建築家(長坂くんは大学での同級生でもあります)と、やっていることが完全に違いますね。本当に魅力的な事務所です。

さて今回見学に行ったリノベーションもとても良かったです。Sayama Flatがさらに進化というか、発展しているような感じでした。実は最近、僕も木造のリノベーションを始めたところで、参考に見てみたいと思って行ったのです。ところが見学後は、参考どころではなくて、相当に気を引き締めないとまずいな、と緊張感が増しました。。。